就職先の選定基準 →実際何がポイントなのか?

 ひょうんな事から「これが働きたい会社だ 社員が教える企業ミシュラン」渡邉正裕著を知って先日読みました。企業を「評価・報酬→年功序列/成果主義」「雇用安定性→終身雇用/UporOut」「意思決定カルチャー→ボトムアップ/トップダウン」の軸でまとめ、各企業の特色をそこで働く従業員にインタビューして集めてる。給料が伸びる時期や伸び悩む時期も「キャリアパス」で比較しつつ書いてるから、なかなか面白い。ただ、個人的に重視すべきと思う点が別にあるので、11年目の率直な気持ちを書いてみたい。

★1.大事なのは給料でなく最終的に自由になる額
働いて最初の2,3年で痛感するのがこの事実。簡単に言えば補助の金額・年齢制限。住居費の占める割合は大きいし、自宅通勤だとしても結婚したらすぐに親同居は珍しい。給料が大事なのでなく、そこから生活に必要な額を抜いた「自由になるお金の額」が一番大事でしょう。たとえば、寮はあっても光熱費が個人持ち/会社持ちとか、寮に無料の食事までつくかとか、その食事は旨い/不味い等。ここら辺になると個人の好みも大きいから、正確な議論はできない。

けど、客観的な指数として補助の年齢制限は入社5年間/30歳まで/40歳まで とか実は差が大きいんだよね。独身寮・家族寮が整備されている会社であっても、「わざとボロイままにしておくことで、寮の絶対的な少なさからくる入居できなかった人の不満を抑える」仕組みを採用している会社も多いと、この本からも伺える。一応、電機業界に属しているが、電機連合という労働組合の組織によって、一見、大卒初任給とかはかなり似てる。けどこの補助についてはかなり違うし、学生時代にその全貌を知って比較するのは不可能なのでは?? それに補助って会社が赤字になると一番最初に削減されるからなぁ。

★2.大事なのは、給料でなく残業代の天井
かつ、注意すべきなのは、同じ会社の中であっても、サービス残業に対するスタンスは違うんだよね。「どれだけ残業をつけれるか」は「部門の会社の中での位置づけ」や「部門の業績」や「上司や先輩の考え」にかなり依存されるというのが実感。だから、入社前に「残業は全部つけてるよ」とリクルーターから聞いても安心できるワケじゃない。それに8年目ぐらいになると、見なし残業込みの扱いになって、ここら辺が関係なくなることもあるしね。

★3.やっぱり、休みのとりやすさも大事
いくら残業をぜんぶつけれても、100時間越えって3ヶ月以上は辛い。「お金はいいから、とりあえず休みが欲しい」っていう気分になるのは、周囲を見てても断言できる。で、実際、休みの取りやすさって、思った以上に所属している部署の方針なんだよね。いくらお客様対応で忙しくても、やっぱり社内の打ち合わせ等はあるわけで、本当に休みを取る事の大切さを意識している上司ならば、それを考慮して部内の予定を立てるから。ここら辺は★2.以上に運だねぇ。

★4.人間関係は大事だけど、完全に人のせいにはできない
個人的には会社内の人間関係では悩まないようにしてる。以前に紹介した「ボスマネジメント」もそうだけど、必要な人と必要な関係を結べるように努力すべきであって、完全に周囲のせいにして「自分は純粋被害者です」顔をするのは、なんかなぁ、と思うから。ただ、ある種の傾向はあるよね。それは「上司をさんづけでよべる」とかの会社内の文化で想定できる部分もあるとも思う。共通参加の行事も半年に一回レベルならば、個人的には参加しようとしてます。いまの部署では2月にイチゴ狩りが恒例行事になってるしね。いくら会社内の関係であっても、ある程度はお互いが歩み寄る気持ちになっているのは大事だし、飲み会等もそうだけど、適度な一般的基準をこなすことを苦痛に感じるメンタルだと、辛い部分はあるかもね。そういう人には秀吉の伝記でも薦めます。懐に草履は有名だけど、上司の信長に対して苦労してるから。こういうのは1000年前も1000年後も変わんないよ。


★5.分社化・子会社出向って油断できない
たとえば、大学時代の友達。HDで有名な研究室を卒業し、日立のHD部門で働いていたけど、子会社化されてHD部門自体が流転のような状況だから。今の日本の企業(特に電機業界)は部門ごとの切り離し・買収等が盛んだから、いつなんどきそういう状況になるか分からない。昔は子会社行きって、ある程度年齢を重ねた後の道だったけど、今は部門を子会社に移すってよくあるし、20代でも覚悟しておいた方がいい。最初は「親会社と全く同じ条件だから」と言うけれど、その保障は長くて数年と覚悟しておいた方がいいワケで。


★6.意思決定カルチャーって関係ないような
あの本は「給料」「雇用安定性」「意思決定カルチャー」の3軸で比較しているけど、給料よりは★1.の補助の有無、雇用安定性よりも★5.の子会社出向の有無の方がポイントになる。するとまだ言及してないのは「意思決定カルチャー」だけど、個人的にはトップダウンだろうがボトムアップだろうが、そんなに関係無いと思う。いくらボトムアップでも結局は上司を説得しなくちゃいけないし、トップダウンな方針が強くても、上司を説得できれば自分の意見・アイディアは通せるしね。大事なのはボス・マネジメントの考え方であって、生の声を集めて具体的な対策にまで落とし込めれば、意思決定カルチャーはあまり気にする必要ないかもね。一番、大事なのは「上司の頭の硬さ・新しい方法を試す柔軟性」だけど、これは就活時はいかんともしがたい。


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ここまで書いてきたことなんて、うちらの年代なら皆当然な事なんだと思う。それを上手く若い世代に繋げれるか、そういう話を聞ける人間関係をもてるか、そこら辺が大事で、結局は「従兄弟のお兄ちゃん」等から聞くぐらいしかないのかもね。いくら先輩、後輩の関係でも、10歳上から話を聞くのは結構難しい。フランクに話を聞ける先輩って長くて3,4歳差だから。けど、従兄弟と突っ込んだ話をする機会って、少なくとも自分は無かったし、今の日本では減っているんだろうなぁ、とは思う。


その上で、もうちょっと個人的なことを書くと・・・

★★一番良いのは伸びる中企業に入る事
これが一番のポイントだと思っているけど、これが一番の運なのかもね。たとえば、売り上げが1兆円を越す企業って、この先、30年間で売り上げが2倍3倍になることって珍しいんだよね。ある程度の規模の会社は、そんなに劇的にでかくならない。自分が一番知ってる例では、トヨタかな。中学校の学区内にトヨタの家族寮があったら、同級生で親がトヨタ勤務ってそこそこいた。けど、91年前後のトヨタって、日産や本田とそこまで劇的な差って、中学生では感じなかったから。確か、記憶が間違っていなければ、あの頃のトヨタって売り上げが5兆円ぐらいだったような。そこから、20兆円まで10数年。地元の名古屋に帰省するたびに、愛・地球博にせよセントレアにせよ、トヨタの影響度が大きくなっていることは痛感してた。けど、これだけの劇的な伸びが、あの規模の会社で起こることは珍しい。

すると、この企業ミシュランの本に取り上げられているような会社に入ると、「会社はこの先もそんなに大きくならないんだなぁ」がベースになる。同期も有名大学出身の見るからにデキそうな奴も多くて「自分のウリって何だっけ?」と痛感する事もある。それよりは2000年当時のニトリとか、今後伸びる中企業に入る方が、仕事のやりがい・権限や生涯的な賃金総額を考えても、一番ベストな選択になるんだよね。けど、一介の学生に「今後のびる中企業」がわかるワケもないんだよなぁ。それよりは、社会人3、4年目で転職するぐらいの心構えで過ごす事の方がいいのかもね。個人的にはそれを選ばなかったので、特に何か言える立場じゃないけど。

アルジェリアの事件で有名になっている「日揮」だけど、この会社がどれだけ凄いかって、そりゃ学生時代は分かんないって。B2Bの会社なんて知らなくて当然。自分は株を始めてから、そういう会社がある事が分かった。たとえば、「海外で働きたいなら矢崎総業が穴場」っていうのも、学生で知ってたら凄いよね。そんな意味では、スーパーニッチというか、CMはやってないけど、特定分野で世界一な会社を狙うのは、学生時代の就職先を考えるときには一つの有効な戦略だと思う。こういう会社って、親戚とか個人的な知り合いに薦められるんだよね。そこまで宣伝しなくてもそれなりの学生が応募してくれるから、CM的有名度の尺度しか知らない学生って世の中を甘く考えすぎだよね。

この本=「これが働きたい会社だ 社員が教える企業ミシュラン」の実際については、アマゾンのレビューを全部読めば分かると思う。個人的にも「大まかな傾向はあってるけど、誰にインタビューしたかでかなり変わる(それが大きな会社というもの)」っていう意見に一番同意するけどね。


で、「実際何がポイントなの?」の個人的な答えは・・・

「幸せの定義」できまる。

けど、実は幸せの定義って人によってかなり違う。個人的にはハネムーンでカリブの島で散々ダイビングやっている時に痛感した。一般的には「カンクン」がリゾート地で有名なのだけど、そこから船で移動した先にある「コスメル島」は色んな意味で楽しかった。仕事のせいで新婚旅行が結婚式の1年後になってしまった代わりに10日間も休みをもらって、前半はセノーテ(洞窟ダイビング)も含むダイビング三昧。後半はチェチェンイッツアやティオティワカンといった遺跡観光だった。

幸せといえば最高の幸せかもしれないけど、何か違和感あって・・・。
その答えが、自分の「幸せの定義」からずれていたこと。楽しい事をすることが幸せではない。

《幸せ》とは「しなければいけないこと」と「したいこと」が重なった地点

南国ダイビングやメキシコ遺跡観光は「したいこと」ではあっても、「しなければいけないこと」じゃないし、まあハネムーンは「しなければいけないこと」のような気もするけど(ケチると一生恨まれる・笑)、やっぱりなんか違うわけですよ。前者10%、後者100%ぐらいだったなぁ。

じゃあ、今の仕事は??? うーん率直には、前者90%、後者50%ぐらいかな。仕事の種類によって「したいこと」は10%〜70%ぐらいで変動するけど、平均すると50%ぐらいだから。こんな態度で仕事でいいのかしらんと思うが、やっぱり「生活の糧」なんだしねぇ。ちなみにサイト運営は前者20%、後者100%かな。そういう意味では、自分自身の幸せの定義は、「学生時代から意識の片隅におく」ぐらいのスタンスは必要だと思ったりも。こちらの議論は楽しいけど、うちの部署でも釣りバカ日誌の主人公じゃないけど、仕事ほどほど・趣味気合な人もいて、幸せそうだからさ。やっぱり給料増や出世だけじゃ、それもさびしいじゃん。

 



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